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2)来訪外客数を国別にみると、韓国26%、台湾17%、アメリカ16%、中国7%、イギリス6%の順で、近年ではアジアからの来訪が主流になっている。
3)来訪外客の平均滞在日数は9.4日(平成7年)というから、その多くが日本語を理解できないまま、旅行を行っていると推測できる。

 

2. 情報ハンデイキャップの背景
1)日本に不慣れな外国人が情報を得にくい背景として、根本的には次の2つの理由が指摘できる。
a.日本語を読めない、聞いてもわからない、話せない。
b.日本人には自明な予備的知識がない。
2)日本語を理解できなければ、情報を得にくいのは当然である。
3)外国人にとっては自明でない予備的知識には、次の内容などがある。
a. 地理上の予備的知識
例えば、東京の北に札幌があり、西に京都・大阪がある。
東京と横浜の間は、交通機関を必要とする距離がある。
東京の地理的中心は、皇居である。など
b. 鉄道利用上の予備知識
例えば、日本には私鉄があって、大都市の路線数は非常に多い。
のりかえには、改札外、改札内、相互直通などの種類がある。
切符は、きっぷうりばの券売機で買う。など
c. 駅空間構成上の予備的知識
例えば、コンコースがホールになっていないターミナル駅が多い。
鉄道会社別に改札口がある。
トイレは、改札口の中にある場合が多い。など
d. 情報入手上の予備的知識
例えば、インフォメーションセンターのないターミナル駅も多い。
旅行者向の案内パンフレット類は、容易には入手できない。
駅のビジュアル・サインが情報を得る主設備になっている。など

 

6-2 現状設備への評価
1.外国人への対応状況
1)現状の多くの駅で、外国人への情報提供はビジュアル・サインと電子式表示装置における英語又はローマ字表記で行われている。
2)ほとんどの場合、英語又はローマ字は日本語に併記する表現方法で示されている。
3)一般に、日本語表記の固有名詞の対にはローマ字を用い、普通名詞の対には英語を用いている。

 

 

 

 

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